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サステナビリティ トップメッセージ

私は、半世紀以上にわたりヨーロッパ諸国および欧米の同業者と親密な交流をしてきました。
長い付き合いの中で築かれた深い信頼関係のもと、世界中の環境・社会問題などを共に考え、問題解決を行うための意見交換等を行ってきました。
そして当社独自の取り組みとしては、1991年に明和工場が完成して以来、障がい者の自立支援、雇用機会の創出や、地域との協力で実現したLPガス導入、熱回収の仕組みづくりなどを始めとした地域・環境問題などの改善に力を注いできました。

もともと羽毛は廃棄されていた

1990年代後半まで、食肉生産時に発生する粗毛はそのほとんどがゴミとして、廃棄されていました。長い歴史の中で羽毛の需要が増えてきたため、次第に食肉産業の「副産物」と呼ばれ、徐々に定着していきました。

羽毛の品質は環境に左右される

羽毛は食用の水鳥から回収されるため、羽毛の品質は気候の変動や環境の変化に非常に影響を受けやすいです。例えば、夏が暑すぎると私たちと同じように水鳥も餌を食べなくなり、生育が遅れることで、羽毛まで栄養が行き渡らず、羽毛の品質が低下します。また気候不順が発生すると、飼料不足や価格の高騰により安価な代替飼料が用いられ、水鳥の成熟が遅れたり、産卵・孵化率が急激に減少したりすることもあります。

羽毛の品質低下の背景

ベルリンの壁崩壊前は外貨を稼ぐ手段として羽毛の価値は非常に高いものでした。しかし、1989年にベルリンの壁が崩壊すると民主化が急速に進み、旧社会主義国でもコスト意識の高まりにより、食肉に対する羽毛の価値は先進国並(本来の数十分の1)にまで下がっていきました。そのため、食肉の副産物である羽毛は、食肉生産のコストダウンのために徐々に品質も低下していきました。
さらに、2003年SARSによる食肉価格の大暴落、2008年のリーマンショックを経て、多くの消費者は低価格な食肉を求めるようになり、フランス、スペイン、台湾などの味にこだわるグルメな国々以外では、水鳥の飼育日数は従来の2分の1〜4分の1へと次第に短くなり、未成熟の状態で屠畜されるようになりました。そして、副産物である羽毛は未成熟のまま市場に出回り、羽毛の低品質化が急速に進みました。

高品質な羽毛を将来に残すために

高品質で安心・安全な羽毛にこだわる当社は、次世代にもこの高品質な羽毛を残していくことを使命のひとつとしています。しかし現在は、高品質な羽毛はごく一部の味にこだわるグルメな国々でしか産出されません。当社は、他の高品質な羽毛の調達方法として、過去の日本市場に出回った高品質な羽毛を循環させる、「羽毛のリサイクル事業(一般向け)」の仕組みづくりに日本で最初に着手し、現在まで普及に努めてきました。
羽毛を循環させることは、焼却廃棄するとき空中に排出される二酸化炭素の削減につながります。羽毛は炭素を約50%含み、焼却した場合は羽毛1キロあたり1.8キロのCO2が発生してしまいます。そのため、焼却せずに循環することで二酸化炭素の排出削減を実現できます。
また、羽毛のリサイクルに伴う使用済み羽毛製品の解体作業を、障がい者福祉サービス事業所などと協働し行うことで、障がい者の自立支援や雇用確保を促し、地域貢献につなげています。
何より、自社工場で洗浄し独自の回復加工を施した羽毛は、清潔で羽毛本来の機能が回復するため、安心・安全な羽毛といえます。羽毛はもともと化石になるぐらい丈夫で、当社のように適正な処理をすれば100年以上循環することが可能です。
当社が掲げるサステナビリティ経営(羽毛の循環)は、環境にとても優しいだけではなく、高品質な羽毛資源の確保や、雇用創出にもつながるSDGsに貢献した取り組みと言えます。

今後の展望

当社は今後も、良質な睡眠と健康社会の実現に向けて、高品質な羽毛の循環の更なる普及活動、羽毛ふとんのリフォーム事業拡大、コージェネレーションなどによる効率的なエネルギー運用を促進していきます。
そして、お客様、パートナー企業、取引先企業の皆様とのご縁を大切にしながら、脱炭素社会及び羽毛の循環社会の実現を目指していきます。
今後も変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役 河田 敏勝 博士(医学)

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許可公安委員会:三重県公安委員会
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