羽毛専業メーカーとして、羽毛の品質を極めることこそが一番大切な使命だと考えています。積み重ねた経験と技術、羽毛精製に最適な環境と羽毛洗浄に適した超軟水を得て、「清潔」な羽毛を精製することに努めてきました。 当社では、安全で安心できる清潔な品質の羽毛であることを証明するため、当社が取り扱う羽毛(新毛とリサイクル羽毛)のオリジナルブランド「KAWADA DOWN」をつくりました。また、「Green Down Project」で回収されリサイクルした羽毛を「グリーンダウン」と呼んでいます。
羽毛原料は、食用の水鳥から産出された天然の副産物です。これを精製してクリーンにした羽毛を「新毛」と呼びます。一方で、羽毛ふとんやダウンジャケットなどの羽毛製品を回収し、それらを解体して取り出した羽毛を再び精製加工したものが一般的に「リサイクル羽毛」と呼ばれています。
当社に入荷した羽毛は、全て自社工場で精製加工しています。羽毛の精製に最適な場所で羽毛に付着したホコリやアカを徹底的に取り除き、きめ細かな超軟水で洗浄加工した清潔な羽毛は、高品質で安全で安心して使うことができます。
当社で扱う羽毛ブランドが「KAWADA DOWN」です。
河⽥フェザーが選びぬき仕⼊れた⽻⽑を、国内工場で丁寧に精製加工して厳しい品質試験を受けた羽毛であることを「KAWADA DOWN」が保証しています。独自の技術と英知の結晶のもとに作り上げたオリジナルブランドです。
当社がオリジナルブランドを作った理由は、自社の羽毛が確かな品質であることを知っていただくためです。
そして、その背景には羽毛市場の大きな変化があったことが起因しています。
羽毛は食用に飼育された水鳥から採取されます。近年、食用水鳥は世界的に安価な肉を求める流れに伴い、飼育数が減少。さらに飼育日数も短くなっているので、成鳥に比べると一羽あたりの羽毛採取量やダウンの比重も減っています。 値段を優先させる市場であればあるほど、肉の味は落ちてしまいます。そして飼育日数を短くし、鳥の成長を待たずに肉が出荷されると羽毛の品質も落ちてしまいます。そのような状況下においても、当社ではフランスや台湾などグルメな国で長期飼育されている成鳥の羽毛を選び、羽毛原料から品質の高い羽毛を仕入れています。
羽毛メーカーとして、最高品質の羽毛を使った羽毛製品を使って欲しいと思っています。なぜならば、近年、羽毛製品に粗悪な羽毛が混入しているという情報が寄せられるからです。製品に中古羽毛が混じっていたり、損傷フェザーなどを取り除いていなかったり、羽毛に汚れが多く付着したものが充填されているようです。
本来、適正に精製された羽毛はほとんど臭いません。ほかの繊維と比べてもきれいな素材です。このことを認識してもらえば、粗悪な羽毛を使った製品を買ったり、使ったりすることはないと思います。 このような経緯から、当社は羽毛精製のプロとして、自社の製品に誇りと責務を持ってお届けしていることを証明するためにオリジナルブランドを作りました。
使わなくなった羽毛ふとんや着なくなったダウンジャケットの多くは、廃棄物として処分されています。フワフワとして柔らかいイメージの羽毛ですが、実は丈夫で、100年以上変わりなく使えると言われています。そのため羽毛は、製品に使っても適正に洗浄すれば、繰り返し使うことができる循環資源なのです。そして、環境や資源保護などに関心が高まるなか「羽毛はリサイクルできる」ことが、広く知られるようになりました。
当社では、使い終わった羽毛製品を回収し、製品を解体して羽毛を取り出した後、洗浄します。羽毛は適正な処理をすることで、本来の機能(保温性など)が回復します。このように精製して清潔になった羽毛がリサイクル羽毛(グリーンダウン)です。グリーンダウンは、新毛と同じ工程で羽毛を洗浄し、さらに厳しい品質基準の試験をクリアし、羽毛製品に生まれ変わることで循環する資源です。
グリーンダウンは環境に優しい取り組みとして注目されています。
例えば、羽毛ふとんをリサイクルすれば、焼却するときに排出する二酸化炭素を抑制します。羽毛1kgに対し、約1.8kgの二酸化炭素の削減につながります。 さらに、羽毛ふとんを10〜20年で買い換えると考えた場合、廃棄される羽毛ふとんに使っていた原料は、水鳥の飼育日数が今よりも長く、成鳥から採取された良質の羽毛だと考えられます。つまり、数十年前の成鳥から採れた良質の羽毛を使った製品が回収され、その羽毛が洗浄して機能を回復し、循環資源として生まれ変わっているのです。
また、グリーンダウンは鳥インフルエンザなどの自然環境によって食用水鳥の安定供給が難しくなった場合でも永続的な供給ができる原料として脚光を浴びています。
グリーンダウンが清潔でクリーンな羽毛と言われるのには確かな理由があります。
1つ目は、新毛よりも厳しい品質基準を設けています。
透明の透視度計に羽毛を洗った水を入れて測定する「清浄度検査」では、業界基準(透視度計1,000mm以上)の3倍にあたる3,000mm以上を基準としています。
2つ目は、当社の理論に基づいた洗浄技術と水で洗っていることです。
羽毛の洗浄に使う水には還元力があります。羽毛製品から取り出した羽毛と精製加工後の羽毛を触って比べてみると、質感の違いがわかります。当社の技術と水を使って洗浄した羽毛は、細かな羽枝(うし)が開閉するので、保温性や吸放湿性などの機能が回復し、フワフワに生まれ変わります。
当社は国内の寝具メーカーやアパレルメーカーなどと共に組織する一般社団法人Green Down Projectの一員として、羽毛資源の循環に取り組んでいます。
羽毛の循環は、一般の方から羽毛製品を回収し、解体して取り出した羽毛を精製加工後、リサイクル羽毛(グリーンダウン)を使った製品が再び店頭に並ぶことで成り立ちます。当然のことですが、羽毛という資源を循環させることは、当社だけではできません。たくさんの企業が「食用水鳥から産出された天然の副産物である羽毛を循環させ、次世代につなげたい」と願い、プロジェクトに取り組んでいます。
「羽毛はリサイクルできる」ということを社会に知ってもらう目的で、2015年4月3日に発足しました。羽毛を循環させることが、社会貢献や環境保護につながるプロジェクトです。
グリーンダウンプロジェクト
羽毛は食肉用として飼育された水鳥の副産物として採取されています。昨今、安価な肉の需要が高まり、長期飼育される水鳥はグルメな国に限定されています。そのため、良質な羽毛が減っています。さらに自然環境の変化により水鳥の飼育が減産される年がある一方で、新興国で羽毛の需要が伸びています。
世界的な羽毛の需給バランスの安定を図るためにも、国内で使い捨てにされている大量の良質な羽毛を資源として循環させることは急務です。この循環こそが将来の羽毛資源の確保につながると考えています。
使い捨てにより羽毛製品を廃棄してしまうと、そのほとんどが焼却処分されます。水鳥の羽毛はその50%が炭素で構成されているため、焼却すると多くの二酸化炭素を排出します。一般的に約1kgの羽毛を燃やすと約1.8kgの二酸化炭素が発生します。羽毛のリサイクルは二酸化炭素の排出を抑制でき、環境に優しい取り組みと言えます。
回収した羽毛製品の解体作業は、工場を構える三重県明和町の障がい者就労支援施設「ありんこ」に委託しています。リサイクル可能なふとんを解体専用の機械に一枚一枚セットし、ふとんの側生地を裂いて羽毛を取り出しています。回収する羽毛製品が増えると、障がい者の働く場所が確保でき、安定した雇用につながると考えています。
エコテックス®認証
KAWADA DOWNとナノクリスタル加工した羽毛は、一般財団法人ニッセンケン品質評価センターが認証する「エコテックス®スタンダード100 製品クラスⅠ」を取得しています。
当社が第三者検査機関による認証を受けた羽毛を取り扱うことによって、中材に使用した羽毛製品が、安全で安心できるものであることを証明します。。
この規格は、人体に有害物質の影響をなくすことを目的とし、繊維関連製品全般に適用される試験認証システムで、有害化学物質が世界トップレベルの基準で検査された安心できる繊維製品であることを保証します。
評価基準は4つに分類されており、当社では、3歳未満の乳幼児の敏感な皮膚に触れても安全といえる最も厳しい基準の「製品クラスⅠ」を取得しています。
エコテックス認証